若手研究者は論文を書きなさい
今年は論文をあまり書けませんでした。僅か1本です。
もちろん、論文には量と質の問題があり、分野によって、ラボボスの方針によって、所属学会によってなどなど様々です。
IFの高いジャーナルにとか、IFなんて飾りですとか、論文数が無いと申請書の欄が埋まらないとか、もうそんなことを考えていたら良い論文、良い仕事なんて出来ないと考えています。
ただ、可能な限り(時間、資金、人)良い論文を書くに越したことはありません。
良い論文を書くための知っておくべき5つのことがあります。
Tips for Writing Technical Papers
- What is the problem?
- Why is it interesting and important?
- Why is it hard?
- Why hasn’t it been solved before?
- What are the key components of my approach and results?
この5つのことは、大学院時代に散々元ボスに言われてきたことで、改めて振り返ると最近の論文でもあまい部分があるような気がします。一つずつ振り返ってみます。
1. 解いている問題は何か?
問題提起の部分です。私の分野では、海の環境問題を多く取り上げられています。大きなところでは、富栄養化、貧酸素、赤潮などがそれにあたります。ただし、これらの問題は規模が大きく、また地域によるところも大きいために、より掘り下げた問題提起が必要となります。
2. なぜその問題が面白くて重要であるか?
重要性を述べているものの、面白さについては伝えるのが難しいように思います。この問題を解けばこんなことが出来ますよ、こんなに海がきれいになりますよという部分にあたりますが、海をフィールドとした研究では、リアリティを伝えることが重要かと思います。
3. その問題のどこが難しいか?
zoobioが一番書けていない部分の一つであると思います。もちろんこの問題を解くのは容易ではないと簡単には書いてきましたが、どうして難しいかまで掘り下げて述べることは出来てないと思います。
4. なぜ今まで解かれていなかったのか?
introductionで述べられていると思いますが、この部分をしっかり書かないと、これまで何が分かってて何が分かっていないのかが伝わない部分かと思います。その背景には、技術的なことや方法論的なことまで含まれています。
5. この仕事のどこが重要なのか?
1.から4.まで満足出来るほどに書けていれば十分伝わる部分かと思います。
改めてこれまでの論文を振り返ってみると、自分のあまかった部分が見えてくるように思います。
今年の反省も込めて、自分に言い聞かせるためにzoobioがお送りしました。