水圏生態系の物質循環
海の環境を研究する上で生態系を考えることは必要不可欠です。
今回紹介する本は、特に植物プランクトンを中心とした話題のものです。
1 温帯域の湖における富栄養化問題:現実面と論理的細脈
2 生物地球化学劇場―湖におけるリンの循環と利用
3 藻類と栄養塩:植物プランクトンによる制限栄養塩の取り込みと利用
4 植食者と藻類:万能ろ過摂食者の食物利用、成長および再生産
5 栄養塩、藻類および植食動物:肥沃化のパラドクス
6 プランクトン食物網へのアプローチ:競合、共存、カオス
7 栄養塩のソースとシンクとしての植食動物:結論、限界、推察
この本のフィールドは海だけではなく、湖も含む富栄養化を課題として物質循環のシステムを解説したものです。
上でも触れていたとおり、植物プランクトンを取り巻く物質循環の解明を中心に、リンや窒素の動態と光合成や、動物プランクトンやベントスも交えた食物連鎖について述べられています。
特に個々の現象をモデル化し、生態系モデルに資する知見として、十二分に役立つ本です。